【特許紹介】取りこぼしなく高速に通信をキャプチャする通信キャプチャ装置(東陽テクニカ)の特許発明

 今回は、通信ネットワークのパケットキャプチャに関する特許を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。

 従来、通信キャプチャ装置の汎用CPUの書き込み性能が落ちてしまう問題があります。

 この発明では、通信キャプチャ装置の処理中のデータ量が小さい記憶装置に書き込みます。これにより、発生したデータを取りこぼしなく高速に記憶装置に記録することができます。

通信キャプチャ装置の汎用CPUの書き込み性能が落ちてしまう問題

 通信ネットワークに流れる通信パケットを長期間にわたってキャプチャする装置が利用されています。キャプチャ装置は、発生したデータを取りこぼしなく高速に記憶装置(ハードディスクなどの二次記憶装置)に記録することが求められます。

 従来のキャプチャ装置は、専用の管理装置などのハードウェアを必要としていました。複数のハードディスクなどのうち負荷が小さいものにデータを書き込むことでデータの入出力を高速化していました。

 汎用のCPUなどのハードウェアを使用すると、書き込み性能が落ちることがあるという問題があります。

通信キャプチャ装置の処理中のデータ量が小さい記憶装置に書き込む


 この発明のデータ書き込み装置では、ネットワークに流れる通信パケットを取りこぼしなく複数の記憶装置にデータを書き込みます。ネットワークは、100Gbpsのような高速なネットワークが想定されています。

 具体的には、複数の記憶装置に対応した複数のプロセスがあります。そして、プロセスが書き込みを依頼したデータ量(依頼データ量)と、書き込みが完了したデータ量(完了データ量)とをチェックします。

 データを書き込むときには、複数の記憶装置のうちから、依頼データ量と完了データ量とに基づいて、書き込む記憶装置を選択して、実際に書き込みをします。

 このとき、依頼データ量から完了データ量を差し引いた値が最も小さい記憶装置、つまり、処理中のデータ量が最も小さい記憶装置(言い換えれば一番ヒマな記憶装置)が選択されます。

 このようにすることで、発生したデータを取りこぼしなく高速に記憶装置に記録することができます。

 特許第6377304号 株式会社東陽テクニカ
 出願日:2017年12月4日 登録日:2018年8月3日

【課題】
独自のハードウェアを必要とすることなく、かつ、例えば100Gbps等の高速の通信ネットワークを流れる全てのパケットを長期間に渡って取りこぼしなく二次記憶装置に記録することができるデータ書き込み装置及び方法を提供する。
【請求項1】
 複数の二次記憶装置にデータを書き込むデータ書き込み装置であって、
 複数の二次記憶装置と、
 データを取得するインタフェース回路と、
 前記インタフェース回路で取得されたデータを前記複数の二次記憶装置のいずれかに書き込むコンピュータ装置とを備え、
 前記コンピュータ装置は、
 ソフトウェアを保持するメモリと、
 前記ソフトウェアを実行するプロセッサとを備え、
 前記ソフトウェアは、
 マルチプロセスのオペレーティングシステムと、
 前記オペレーティングシステムの管理下で実行されるアプリケーションとを含み、
 前記アプリケーションは、
 前記複数の二次記憶装置のそれぞれに対応して設けられた複数の書き込みプロセスであって、対応する前記二次記憶装置へのデータの書き込みを前記オペレーティングシステムに依頼する複数の書き込みプロセスと、
 前記複数の二次記憶装置のそれぞれについて、対応する前記書き込みプロセスから書き込みの依頼を受けたデータのうち、書き込みが完了したデータの量を検出する監視プロセスと、
 前記複数の二次記憶装置のそれぞれについて、対応する前記書き込みプロセスが前記オペレーティングシステムに書き込みを依頼したデータの量である依頼データ量と、前記監視プロセスによって検出された書き込みが完了したデータの量である完了データ量とに基づいて、次に書き込む対象となる二次記憶装置を前記複数の二次記憶装置の中から選択し、選択した前記二次記憶装置に対応する前記書き込みプロセスに対して、前記インタフェース回路で取得されたデータを対応する前記二次記憶装置に書き込む指示をするデータ振り分けプロセスとを含み、
 前記複数の書き込みプロセスのそれぞれは、前記データ振り分けプロセスからの指示に従って、対応する前記二次記憶装置へのデータの書き込みを前記オペレーティングシステムに依頼する
 データ書き込み装置。

今日のみどころ

 ルータの開発や評価の現場では、パケットキャプチャ装置装置が活躍しています。回線の100%の速度で通信パケットを入れて、ルータに転送されて100%の速度でデータが出てくるかという試験をしたりしています。こういう現場で使われます。

 インターネットは、高速なルータによって構成されていて、高速なルータの開発は高速パケットキャプチャの技術に支えられています。みんなつながっていてよいと思います。おもしろい!