近接無線通信したことがあるスマホからの宅内の家電制御を許可する発明 パナソニック

 外出先からスマホなどで宅内の家電を制御する際の不正アクセスの問題を解決する発明です。

 この発明の機器制御システムでは、近接無線通信の通信実績を利用して正当性を確認します。これにより、煩雑な操作を要せずに、外出先から宅内の家電を制御することができます。

 特許第6111418号 パナソニックIPマネジメント株式会社
 出願日:2013年3月27日 登録日:2017年3月24日

外出先から宅内の家電を制御する際の不正アクセスの問題

 外出先からスマホで自宅のエアコンをオンまたはオフする、というように、宅外の端末から宅内の家電機器の制御をする技術があります。この場合、ホームネットワークのゲートウェイとなる装置(レジデンシャルゲートウェイ)を通じて、宅外から宅内の家電機器にアクセスすることになります。

 このようなアクセスを許容する場合、ユーザが外出先で自宅の機器の制御をすることができる便利さがある反面、悪意者が不正に自宅の機器を制御する不正アクセスなどのセキュリティ上のの問題があります。

 アクセス時にユーザ認証をすることで、上記の不正アクセスの問題を解消できますが、そうするとユーザが通常のアクセスをするときの操作が煩雑になるなどの別の問題がでてきます。

近接無線通信の通信実績を利用して正当性を確認

 この発明では、近接無線通信(*1)を利用したアクセス制御によって上記の問題を解決します。具体的には、近接無線通信によって家電(例えば洗濯機)と通信したことがあるスマホ(通信端末)を「通信実績あり」としてサーバに登録しておきます。

 そして、その後に通信端末が宅外から宅内LAN(*2)を通じて家電機器を制御するときには、あらかじめ通信端末がサーバに接続して認証を行います。このとき、この通信端末が「通信実績あり」とサーバに登録されていると、認証が成功して家電を制御することができます。このように、近接無線通信したことがあるスマホからの宅内の家電制御を許可します。

 また、近接無線通信ができない家電(例えばエアコン)は、近接無線通信ができる家電と宅内LANで通信した場合に「通信実績あり」とサーバに登録されます。これにより、近接無線通信ができない家電も、本発明の恩恵を受けられます。

 近接無線通信は、実際の通信端末同士が近接しないとできない通信です。そのため、過去に近接無線通信をした実績がある通信端末は、正当な通信端末であり、不正な端末ではないという考えに基づいた解決方法です。


*1 : 近接無線通信の例は、13.56MHz帯のRFID(Radio Frequency IDentifier) 又は NFC(Near Field radio Communication)です。
*2 : 宅内LANの例は、無線LAN、特定小電力無線、Bluetooth、ZigBee、Ethernetです。

【課題】
宅外から宅内の電気機器を遠隔制御可能とするとともに、認証手続きなどを繁雑とすることなく信頼性や安全性を確保したアクセスを可能とする機器制御システムを提供することを目的とする
【請求項1】
通信ネットワークを介して通信可能な電気機器及び電気機器情報サーバ及び情報端末及び中継装置を備えた機器制御システムにおいて、
前記通信ネットワークは宅外のネットワークと宅内のネットワークを含み、
前記電気機器と前記情報端末は近距離で相互に通信を行う近接無線通信手段を備え、
前記電気機器情報サーバ及び前記中継装置のいずれかは、前記電気機器と前記情報端末が前記近接無線通信手段により通信を行うと通信実績の有無を記憶する記憶手段を備え、
前記通信実績が有りの場合に、前記情報端末は前記通信ネットワークを介して前記電気機器と通信が可能となり、
前記電気機器は、前記情報端末と近距離で相互に通信を行う近接無線通信手段を備える第1の電気機器及び前記近接無線通信手段を備えない第2の電気機器とを含み、
前記第1の電気機器と前記第2の電気機器とが前記宅内のネットワークを介して通信した場合に、前記情報端末は前記通信ネットワークを介して前記第2の電気機器と通信が可能となることを特徴とする機器制御システム。

今日のみどころ

 インターネット側から宅内へのアクセスを許容する場合、不正アクセスなどのセキュリティ上の問題がつきまといます。この発明では、スマホと家電とが近接無線通信をした実績に基づいて、ネット経由でアクセスしに来るスマホの正当性をチェックしています。

 スマホと家電が近接していないと通信できないという、近接無線通信の特殊性を利用した発明といえます。すばらしい。