特定小電力無線のマルチホップ通信を用いたゴルフ場内ナビの発明 ピーアイシステム

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 この発明の施設内ナビゲーションシステムでは、親機、複数の中継器、及び、複数の子機が、特定小電力無線(特小)を用いて通信します。ここで、親機と中継器との中継通信と、子機と中継器との同報通信との周波数が異なり、通信時間が重複しないように、さらに、複数の中継器からの同報送信のタイミングは重複するように制御されます。

 これにより、親機と子機との通信に要する時間を短縮することができます。

 特許第5341449号(特開2010-78413) 株式会社ピーアイシステム
 出願日:2008年9月25日 登録日:2013年8月16日



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従来のナビゲーションシステムでは通信速度が低い問題

 ゴルフ場などの施設内で使用される、GPSなどで取得した位置情報に基づいたナビゲーションシステムがあります。このナビゲーションシステムでは、携帯用子機がGPSにより取得した位置情報をコントロールセンターに伝え、グリーンまでの距離などのナビゲーション情報を算出します。そして、そのナビゲーション情報を携帯用子機に提供します。

 従来の施設内ナビゲーションシステムでは、MHz帯の周波数帯域で位置情報などを通信します。この帯域の通信では、通信速度が4,800bpsと低いものとなり、通信に時間を要したり、通信データに付加情報を付加したりすることができないという問題があります。

特定小電力無線のマルチホップ通信で解決

 この発明のナビゲーションシステムでは、親機、複数の中継器、及び、複数の子機が、GHz帯域の特定小電力無線(特小)を用いて通信します。中継器は、親機と子機との間に位置し、親機と子機との間の無線通信を中継します。ここで、親機と中継器との間の通信(中継通信)と、子機と中継器との通信(同報通信)との周波数は異なります。また、中継通信と同報通信とは通信時間が重複しないように、また、複数の中継器からの同報送信のタイミングは重複するように制御されます。

 これにより、中継通信と同報通信との混線が生ずることが回避され、また、中継通信と同報通信とを同時に実行できるための、親機から子機への情報の伝達に要する時間を短縮することができます。

 なお、請求項1では単に施設におけるナビゲーションという限定と、通信の仕方の技術的特徴だけで特許がとれています。また、従属の請求項2~8では通信の具体的な方法や、装置間の位置に基づく処理についての特徴が記載されています。ゴルフ場のナビゲーションシステムという限定は、請求項9にあります。技術的特徴を徐々に限定していくというクレーム構成で良いと思います。

【課題】
短時間で通信を行う施設内ナビゲーションシステムを提供することを目的とする。
【請求項1】
 特定小電力無線により通信する、親機と複数の中継器と可搬性の複数の子機とを備え、
 前記複数の中継器は、前記親機からの通信内容を順に伝えるとともに、前記複数の中継器の少なくとも一部は、前記通信内容を前記複数の子機に同報通信するものであり、
 前記複数の中継器の前記少なくとも一部は、前記親機及び前記複数の中継器の間でなされる中継通信とは異なる周波数で同報通信を行い、
 前記複数の中継器のうち、中継通信と同報通信とを行う各中継器は、通信時間が互いに重複しないようにこれらの通信を行うとともに、
 前記複数の中継器は、互いに異なる一部の中継器の間で、一方が中継通信を行う時間に重複して他方が同報通信を行う、施設内ナビゲーションシステム。

今日のみどころ

 この発明の無線ネットワークは、特定小電力無線(特小)を用いた無線マルチホップネットワークといえます。従来のレピータの高機能版という位置づけともいえると思います。具体的には、中継通信と同報通信の周波数帯域や、通信タイミングの重複の有無についての技術的特徴で特許性が認められたといえると思います。

 特許的には、請求項1でゴルフ場のナビゲーションシステムという文言を出してしまうという戦略もあります。これだと最初から発明の対象を限定することになるので、特許になりやすい傾向がある反面、権利範囲が狭くなると思います。

 どちらの特許戦略をとるかはケースバイケースです。審査結果に対応しながら適度な広さの権利範囲を狙っていくか、ある程度の広さを狙って短期決戦でいくか、ですね。

  



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