今回は、ゴルフのスコア管理に役立つ装置に関する発明を紹介します。
従来、ゴルフのスコアの管理について、プレイヤが意図しないときにICタグを携帯端末で読み取れないという問題があります。
この発明の装置は、打数に対応するICタグだけを露出させて読み取らせることができます。これにより、プレイヤの意図したICタグを読み取らせて打数の管理をすることができます。
特許第5971012号 大日本印刷株式会社
出願日:2012年7月30日 登録日:2016年7月22日
プレイヤが意図しないときにICタグを携帯端末で読み取れない問題
ゴルフ用品に取り付けたICタグを携帯端末で読み取って、ゴルフのスコアの管理に利用するシステムがあります。
しかし、プレイヤが意図しないときに携帯端末がICタグを読み取ってしまい、スコア管理が適切にできないことがあるという問題がありました。
打数に対応するICタグだけ露出させて読み取る
この発明の装置は、ゴルフのスコアに対応するICタグが円周状に複数並んで取り付けられています。また、ICタグと外部とでやりとりされる電波を遮る遮蔽部材が、ICタグの1つだけを覆い、他を覆わないで露出させる形状でセットされています。
そして、遮蔽部材は、回転可能にセットされていて、ICタグのうちのどれを覆うかをユーザが切り替えることができるようになっています。
例えば、打数に相当する数字に対応するICタグが配置されている場合、プレイが終了した時点でユーザが遮蔽部材を回転させて打数に対応するICタグを露出させて携帯端末に読み取らせるという使い方ができます。
打数の設定もいろいろなパターンが考えられており、パーからのマイナス又はプラスの打数で、アンダとオーバを表現するなどのアイデアがあります。
また、装置の形態として、腕時計のように腕に巻きつける形態や、ポケットなどに入れて携行するための形態などがあり、用途に合わせた工夫がなされています。
ゴルフのプレイヤが、ICタグの情報を、通信端末に意図通りに読み取らせることができるゴルフ情報選択装置を提供する。
【請求項1】
ICタグ設置部材と、
前記ICタグ設置部材に円周上に配置され、ゴルフのプレイ履歴を記録するために必要なゴルフ情報をそれぞれ記憶し、利用者が通信端末をこのゴルフ情報選択装置に近付けることにより、通信端末との間で近距離無線通信により通信して、前記ゴルフ情報を通信端末に送信する複数のICタグと、
前記ICタグ設置部材に対して回転移動可能に設けられた遮蔽部材とを備え、
前記遮蔽部材は、
前記複数のICタグのうち1つのICタグを遮蔽しない領域であり、通信端末との間で通信可能な通信領域と、
前記1つのICタグ以外の他のICタグを覆って遮蔽し、通信端末との間で通信できない遮蔽領域とを有し、
利用者の操作によって前記遮蔽部材及び前記ICタグ設置部材が相対的に回転移動して、前記通信領域が回転移動して前記1つのICタグが選択されること、
を特徴とするゴルフ情報選択装置。
今日のみどころ
ICタグを使ってゴルフの打数をカウントできる装置です。用途が具体的なので、発明の構成も具体的になって特許がとりやすくなっている例といえると思います。
ICタグによって読み取られる情報を手動で切り替えられるというのは、ちょっとおもしろいアイデアですよね。他でも応用できそうな。