今回は、歩きタバコなどの路上喫煙の防止に関する特許発明を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。
従来、路上で喫煙している人に自動で警告を発する要求があります。
この発明では、タバコの燃焼の熱を感知するとRFIDリーダライタへ制御信号を送信して警報装置から警報を発します。これによって、歩きタバコなどの路上喫煙を防止します。
路上で喫煙している人に自動で警告を発する要求
歩きタバコなどの路上喫煙の問題があります。
監視員が監視することによって、路上喫煙をしている人に警告をする活動がなされることもあります。広い区域で監視員が監視することは難しい状況です。
そこで、路上で喫煙している人に対して自動で警告を発信できることが求められています。
タバコの燃焼の熱を感知するとRFIDリーダライタへ制御信号を送信して警報装置から警報
この発明は、路上喫煙をしている人に自動で警告を発するシステムで、専用のタバコと、警報装置とから構成されています。
タバコには、そのタバコ自身が燃焼するときに発する熱を感知できるセンサがつけられています。また、RFIDのリーダライタ(送受信機)が搭載されています。
例えば、センサは、タバコの先端に近い側(燃焼する側)に搭載されています。また、RFIDリーダライタは、タバコの根本に近い側(フィルタ内部)に搭載されています。
センサが、タバコが燃焼するときに発する熱を感知すると、その感知したことを示す情報をメモリに記憶しておきます。
警報装置は、RFIDの搬送波を含む電波を出力しています。
警報装置が出力しているRFIDの搬送波をタバコのRFIDタグが受信した場合、タバコの燃焼による熱を感知したことを示すデータがメモリに記憶されているときには、RFIDタグは、RFIDリーダライタへ制御信号を送信して警報をするように制御します。
このようにすることで、路上喫煙をしている人に自動で警告を発することができます。
特許第6015420号 大日本印刷株式会社
出願日:2012年12月20日 登録日:2016年10月7日
路上禁煙区域内の路上で喫煙している人に対して自動で警告を発信できるシステム、および、このシステムで必要となるタバコを提供する。
【請求項1】
個人が所持するタバコと、禁煙区域に設置される警報装置とから少なくとも構成されるシステムであって、
前記タバコは、燃焼に伴う熱を感知する熱感知部と、RFID用の搬送波を受信して作動すると、前記熱感知部から得られた熱感知結果を示すデータをメモリに書き込んだ後、データの読み出し命令を受信すると、メモリに格納されているデータを無線で送信するRFID部を備え、
前記警報装置は、RFID用の搬送波を常時発信するリーダライタと、警報メッセージを発信する警報手段と、前記リーダライタを用いてデータの読み出し命令を送信した後、
前記リーダライタが受信したデータを確認し、このデータによって熱の感知が示される場合、所定の警報メッセージを前記警報手段に発信させる警報制御手段を備えている、
ことを特徴とする路上喫煙監視システム。
今日のみどころ
タバコに組み込まれているRFIDタグが、タバコが燃焼していることを警報装置に送信するアイデアです。RFIDで通信するハイテクなタバコの発明です。
従来型の紙巻きたばこを想定していると思いますが(図2参照)、この仕組み自体は加熱式タバコでも使えそうです。でも特許の権利範囲に加熱式タバコが含まれるかは微妙なところです。