RFIDタグとタグリーダとを用いて照明機器を点灯させる照明制御システムに関する発明です。人間による壁スイッチの操作が煩わしいという課題を解決する発明です。
RFIDタグは、RFIDにより照明機器の識別子(ID)をタグリーダに送信します。タグリーダは、タグから受信した識別子が示す照明機器を点灯させます。照明装置の制御に際して、人による操作が不要になります。
特許第5639366号(特開2011-175759) パナソニック株式会社
出願日:2010年2月23日 登録日:2014年10月31日
従来は人間による壁スイッチの操作が煩わしい問題
従来は、照明機器の点灯又は消灯の制御をするには、人間が壁スイッチなどを操作する必要があります。
このやり方では、照明機器の点灯又は消灯の制御のために人間が操作の行為を行う必要があります。この行為が煩わしかったという点が従来の問題点です。
RFIDタグとタグリーダにより照明機器の識別子を送信して制御
上記問題を解決するために、この発明では、タグが記憶している照明機器の識別子を送信し、タグリーダがその識別子で示される照明機器を点灯させる制御をします。タグが照明機器の識別子を送信する契機は、タグリーダが定期的に送信する信号(起動信号)です。これにより人間が壁スイッチを操作する必要がなくなります。
従属請求項では、タグが記憶している識別子を登録するための登録モードがあること、登録モードでは照明機器から可視光又は赤外線により送信される識別子を登録に用いること、受光感度に基づいて登録するしないを切り替えること、などの発明があります。
なお、タグとタグリーダとは、LF帯およびUHF帯で無線通信します。
(用語)
LF帯:Low Frequency帯 RFIDで利用される帯域としては例えば135kHz帯
UHF帯:Ultra High Frequency帯 上記同様例えば400MHz帯
人の操作を必要とすることなく照明の制御を容易に行うことのできる照明制御システムを提供することを目的とする。
【請求項1】
複数の照明機器のうち関連付けがなされている照明機器それぞれを識別する照明識別子を記憶する記憶手段、及び記憶されている照明識別子を無線で送信する第1送信手段を備えるタグと、
前記タグから前記照明識別子を受信すると、受信した前記照明識別子が示す照明機器に対して点灯に係る制御を行う制御手段を備えるタグリーダとから構成される
ことを特徴とする照明制御システム。
今日のみどころ
RFIDの通信を利用することで、人間が壁スイッチを操作することなく照明を制御するシステムです。タグからタグリーダへRFIDで識別子を送信し、その識別子で示される照明を制御するという技術で、照明の制御とRFIDの通信とを組み合わせただけの技術といえます。かなり広い技術的範囲をカバーしているように思います。このような技術の組み合わせはまだあまり考えられていない技術分野なのだろうと考えられます。
この照明制御システムを利用すれば、例えば、携帯電話又はスマホをタグとして用いて、人間がある部屋(又は、部屋の中の一部の領域)に入ったら壁スイッチ等の操作を行うことなくその部屋の1又は複数の照明を点灯させる、という制御ができると思われます。また、タグに記憶させる識別子を変えることで、制御できる照明機器を変えることができるので、柔軟なシステム構築ができそうです。便利そうです。