コネクタを用いず可視光通信で外部に診断情報を送信する車載ECUの発明 NEC通信システム

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 従来、自動車の診断情報を外部の端末に出力するために、そのためのコネクタなどの通信インタフェースを搭載する必要がありました。

 この発明の電子制御ユニットは、ヘッドライトなどの照明装置による可視光通信によって外部に診断情報を送信します。これにより、コネクタなどの通信インタフェースを搭載することなく、情報を外部に出力することができます。

 特許第5804490号(特開2012-171449) 日本電気通信システム株式会社
 出願日:2011年2月21日 登録日:2015年9月11日




診断情報を外部の端末に出力するために特別に通信インタフェースを搭載する必要性

 自動車は、メータ、エアコンなどの機器を制御するための電子制御ユニットを複数備えており、電子制御ユニットそれぞれが、メータ、エアコンなどの機器それぞれを制御しています。

 電子制御ユニットは、専用のネットワーク(CAN, Control Area Network)を通じて互いに接続されています。電子制御ユニットは、各機器を制御するほか、各機器の故障などに関する診断情報を取得します。この診断情報は、外部の端末に読み出され、各機器の修理などに役立てられています。

 従来、自動車は、診断情報を外部の端末に出力するために特別に通信インタフェース(有線通信のためのコネクタや、無線通信のためのアンテナ)を搭載する必要がありました。

ヘッドライトなどの照明装置による可視光通信で、外部に診断情報を送信

 この発明は、自動車の内部の各装置を制御する、車載の電子制御ユニット(ECU)に関する発明です。この電子制御ユニットは、故障などの診断情報を、可視光通信を通じて外部の端末に送信します。この可視光通信は、当該自動車の照明装置(ヘッドライトなど)の電子制御ユニットが照明光の輝度を変化させる制御によってなされます。

 これにより、電子制御ユニットは、診断情報を外部の端末に出力するために特別に通信インタフェースを備えることなく、自動車の診断情報を外部の端末に送信することができます。電波を用いないことから、電波を使用する免許や申請が不要であるという利点もあります。

【課題】
ケーブルや電波を用いずに、車両に搭載されている発光部品を利用して非接触で故障診断情報を送信可能な故障診断システム、電子制御装置および故障診断情報送信方法を提供する。
【請求項1】
 複数の電子制御ユニットを接続するネットワークを搭載した車両の故障診断システムに用いられる電子制御装置であって、
 前記複数の電子制御ユニットがそれぞれ制御するユニットの故障診断情報を前記ネットワークを通して受信し格納する故障診断情報格納手段と、
 前記故障診断情報に従って前記車両に搭載された照明ランプの照明光を変調することで前記故障診断情報を前記照明ランプを用いた可視光通信により外部へ送信する可視光通信制御手段と、
 を有し、
 前記可視光通信制御手段は、前記ネットワークを通して、前記照明ランプを制御する照明ランプ用電子制御ユニットを制御することを特徴とする電子制御装置。

今日のみどころ

 可視光通信は、LEDなどの光源の輝度変化を用いて情報を送信するので、コネクタやアンテナなどの特別の通信インタフェースを備える必要がないという利点があります。

 自動車は、ヘッドライト、テールランプなどの照明装置を備えているので、この照明装置を可視光通信の光源として用いることで、他の通信インタフェースを備える必要がまったくなくなります。このことは、部品点数の削減、運用コストの削減にもつながると思います。すばらしい。