予約ジョブがない場合にさらなる省電力モードへ移行する複合機の発明 村田機械

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 ネットワークに接続された画像処理装置、いわゆるネットワーク複合機(例えばオフィスに設置されるプリンタ機能、スキャナ機能、FAX送受信機能などをもつ複合機)に関する発明です。この画像処理装置は、消費電力が異なる3つのモード(通常モード、スリープモード、オフモード)で動作することが可能です。
 そして、通常モードからスリープモードに移行する際に、予約ジョブがもっているか否かに応じて、そのスリープモードの後に通常モードに移行するか、オフモードに移行するかを選択します。
 これにより、予約ジョブがない場合には、スリープモードの後にオフモードに移行して消費電力を低減することができます。

 特許第5796374号(特開2013-14076) 村田機械株式会社
 出願日:2011年7月4日 登録日:2015年8月28日



 ※特許の本の紹介。
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複数のスリープモード

 ネットワーク複合機、PCなどの情報機器は、その一部の機能のみを稼動させることで消費電力を低減するスリープモードを有しています。また、複数の機能のうちどの機能を稼動させるかによって、複数のスリープモードを有する装置もあります。
 この発明の前提となるネットワーク複合機の動作モードは、すべての機能に電源を供給する通常モード、サブCPUとネットワークCPUに電源を供給するスリープモード、サブCPUだけに電源を供給するオフモードがあり、この順に消費電力が下がります。通常モードにおいて所定の条件(所定時間内にユーザによる操作やFAX受信がない等)が成立した場合にスリープモードに移行します。

予約ジョブの有無に応じてスリープモードの後に通常モード又はオフモードに

 このネットワーク複合機は、この移行の際に、予約ジョブを有しているか否かを確認し、予約ジョブを有している場合には、そのスリープモードの後に通常モードに移行すること、及び、その以降時刻を設定して移行します。
 一方、予約ジョブを有していない場合には、そのスリープモードの後にオフモードに移行すること、及び、その以降時刻を設定して移行します。このようにすることで、比較的長期間ネットワークを使用しない場合に、ネットワーク通信に要する電力を削減することができます。

【課題】
適切タイミングで電力モードをコントロールすることができ、ユーザへの利便性と省電力性とを両立させることができる画像処理装置を提供する。
【請求項1】
 ネットワークに接続されるネットワーク制御部と、
 前記ネットワーク制御部を制御するメイン制御部と、
 予め設定された時刻情報を記憶し、かつ、時刻を計測し、記憶した前記時刻情報と計測した時刻とを比較して当該比較に結果に基づいて電力モードの移行のトリガーとなる移行指令を出力する時計回路部と、
 移行すべき電力モードを示す移行情報を記憶し、前記移行指令を前記時計回路部から検知するサブ制御部と、
 前記メイン制御部への電源の供給を停止する第一省電力モードと、前記メイン制御部および前記ネットワーク制御部への電力の供給を停止する第二省電力モードとを切り替えるモード切替部と
 を備え、
 前記メイン制御部は、前記第一省電力モードに移行する時に、前記移行情報を前記サブ制御部に送信し、
 前記時計回路部は、前記比較に基づいて現在時刻が前記時刻情報で指定される時刻になったと判定した場合に、前記移行指令を前記サブ制御部に送信し、
 前記サブ制御部は、前記第一省電力モードの間において前記移行指令を検知した場合に、前記移行情報に応じて、前記第一省電力モードから通常モードへの移行と、前記第一省電力モードから前記第二省電力モードへの移行とを前記モード切替部に切り替えさせることにより選択的に制御し、
 前記メイン制御部は、
 時刻が指定された予約ジョブがある場合には、通常モードへの移行を示す通常移行情報を前記サブ制御部に設定し、かつ、前記予約ジョブにより指定される時刻情報を前記時計回路部に設定し、
 時刻が予定された予約ジョブがない場合には、前記第二省電力モードへの移行を示す第二省電力移行情報を前記サブ制御部に設定し、かつ、予め設定された前記第二省電力モードへの移行時刻情報を前記時計回路部に設定する
 画像処理装置。

今日のみどころ

 ネットワークに接続する装置は、自装置がスリープ状態に入ったとしてもネットワークから受信する信号に応じて処理をする必要性から、ネットワークインタフェースの電源を落とすことができないという制約があります。
 一方、休日や夜間など、比較的長時間ネットワークから信号を受信しないケースもあり、このケースでは、ネットワークインタフェースの電源を落として消費電力を低減することが望まれます。
 この2つのどちらであるかを通信状況から判断してうまく実現するのがこの発明です。