今回は、地震などの発生を車両の乗員に伝える方法に関する発明を紹介します。
従来、地震など災害発生時に車両の位置によらず通知される問題があります。
この発明では、地震などの災害発生時に車両の走行位置によって異なる発光パターンで乗員に通知します。
これにより、災害発生時に大きな被害が発生すると予想される地域と、そうでない地域とで発光パターンを変えて、ドライバなどの乗員に伝えるなどの制御ができるようになります。
地震など災害発生時に位置によらず通知される問題
従来、緊急地震速報など災害に関する情報を受信した場合に、車室内の乗員や、車室外に通知する技術があります。
このような技術の一種で、災害に関する情報を受信したときに、最初に車室外に通知し、その後に車室内の乗員に通知することにより、乗員がパニックに陥ることを回避する技術もあります。
しかし、これまでの技術は、車両の走行位置とは無関係に通知がなされるという問題があります。
地震などの災害発生時に走行位置によって異なる発光パターンで乗員に通知
この発明の装置は、緊急地震速報などの災害に関する情報を受信したときに、車両の位置に応じて異なる発光パターンで情報を乗員に報知します。
この装置は、あらかじめ車両の位置と、発光させる照明装置、発光色(赤色、青色など)、発光パターン(点滅、点灯など)を紐付た情報をもっています。
そして、災害に関する情報を受信すると、そのときの位置情報を取得します。そして、上記の紐付け情報によって車両の位置に紐付けられている、発光させる照明装置を、その発光色と発光パターンで発光させます。発光の制御は、CANやLINなどの既存の手法が用いられます。
これを応用すると、災害発生時に大きな被害が発生すると予想される地域と、そうでない地域とで発光パターンを変えて、ドライバなどの乗員に伝えるなどの制御ができるようになります。
特許第6191503号 株式会社オートネットワーク技術研究所
出願日:2014年2月27日 登録日:2017年8月18日
車両の走行位置の安全性又は危険性を車両の乗員に対して視覚的に報知することができる報知装置を提供する。
【請求項1】
情報を取得する情報取得部を備え、該情報取得部による情報の取得を車室内の乗員に報知する報知装置であって、
車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、
車内灯の複数の発光態様を記憶する記憶部と、
前記情報取得部が情報を取得した場合、前記位置情報取得部が取得した位置情報及び前記記憶部が記憶する情報に基づいて、前記車内灯の発光態様を特定する特定部と、
該特定部が特定した発光態様で前記車内灯が発光するように該車内灯の発光制御を行う制御部と
を備える報知装置。
今日のみどころ
緊急地震速報を車両の乗員に安全に伝えるための発明で、車両がいる位置によって発光パターンを変えるというものです。
最近はほとんどの車にカーナビがついているので、位置情報を取得するところまでは普通の技術です。その位置情報を使って発光パターンを制御するという、この一点で特許がとれていることです。請求項に余計な限定がなくて、広い権利範囲がとれていてとてもよいと思います。