「SIMカード」という用語がありますが、では「SIM」の用語だけで使えるかどうか調べてみたので、結果をシェアします。
結論としては、「SIM」単体では、おそらく意味をなさないと思われます。
私は特許関連の仕事をしていて、技術用語を正確に使わないといけない関係で気になったので調べました。
SIMカードの「SIM」の用語だけで使える? 「SIM」の用語の意味は?
「SIMカード」とは、スマホや携帯電話にさしてつかう小さなカードです。携帯電話の電話番号に相当する固有の番号が保存されていて、スマホや携帯電話の契約に紐付けられている大事なカードです。
スマホなどの電源を入れた状態でSIMカードが抜き差しできないように、電池の奥の方に挿入されていることもあります。
例えば、このような感じのものです。
「SIMカード」は、シムカードと読みます。何の略かというと、Subscriber Identity Module Cardの略です。
「SIMカード」という用語を見ると、一見、「SIM」という用語と、「カード」という用語が合体した用語のように見えます。だとすると「SIM」単体の意味は何なのか。
Wikipediaでの「SIMカード」と「SIM」
まず、Wikipediaの説明は以下の通り。
SIMカード(シムカード、英語: Subscriber Identity Module Card)とは、GSMやW-CDMAなどの方式の携帯電話で使われている、加入者を特定するためのID番号が記録されたICカード。
「SIMカード」とか、「○○SIM」という形で用語が使われていますが、「SIM」単体の用語は使われていないようです。「SIM」単体で使わないように気を付けて書かれているような気がします。
「SIM」単体では使えない言葉なのでしょうか。
グーグル検索での「SIMカード」と「SIM」
グーグル検索で単に「SIM」を検索すると、ロックバンドのSiMが出てきますが、今回あまり関係ないのでスルーします。
一方、「SIMカード」で検索すると、「SIMカード」の関連ページが表示されますが、ここには、「SIM」単体の用語は見受けられません。
では、「SIMカード」以外の使い方で「SIM」がどのような使われ方をしているかを調べます。グーグルで「SIM -SIMカード」*1を検索した結果として表示される用語で主なものがこちら。
データ通信専用SIM
音声通話SIM
データSIM
データ対応SIM
音声SIM
通話SIM
音声対応SIM
SIMロック
SIMロックフリー
SIMフリー
SIMフリースマホ
*1 「SIM」の検索結果から「SIMカード」の検索結果を除外したものという意味
これらの用語の「SIM」は、どれも「SIMカード」のことを指していると考えられます。つまり、「SIM」という語が、「SIMカード」の略語として使われているだけで、「SIM」という語があるわけではなさそうということです。
「SIM」は「SIMカード」の意味で使われる
ということで、一般的には、「SIM」の語は、「SIMカード」の意味で使われているようだとわかりました。
一般的な使い方はそれでよいとして、技術用語としてはどうかと考えると、「SIM」だけでは若干不明確といえると思います。
一方、「SIMカード」が頻出する技術文献を記載するときなどは、冗長性を避けるために「SIM」と記載したい場合もありそうです。
このようなときは、「SIM」が「SIMカード」の略称であることを注意書きしておくのが良いと思います。例えば、以下のような感じです。
- なお、「SIM」とは「SIMカード」を意味する。
- なお、「SIM」の語は、「SIMカード」と同義である。
- なお、「SIMカード」を、単に「SIM」と表記することもある。
- なお、「SIMカード」を、単に「SIM」ともいう。
こうしておけば、うっかり「SIM」の用語を使ったとしても、「SIMカード」のことを意味するようになります。安心ですね。
今日のみどころ
これだけスマホや携帯電話などのモバイル通信が発達し、これからも当分発達しそうな感じです。なので、「SIM」、「SIMカード」の用語は、数年~数十年使っていくことになりそうです。
いまのうちに正確に使えるようになっておきましょうね。