【特許紹介】位置を複数回計測してまとめて送信する携帯電話の特許発明(京セラ)

 今回は、携帯電話やスマホの位置計測に関する発明を紹介します。

 従来、携帯電話の位置を把握するための情報が必要とされています。

 この発明では、位置計測を複数回して結果をまとめて送信します。その結果を得たユーザにとって、携帯電話の位置を把握することに役立ちます。



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携帯電話の位置を把握するための情報が必要

 携帯電話などの機器がGPSなどによって位置を計測(測位)することができます。計測した位置は、他の危機に送信されて、その携帯電話やそのユーザの位置を把握するのに利用されます。

 例えば、子供の携帯電話が位置計測をして親の携帯電話に送信すると、親が子供の位置を把握することができます。

 計測される位置には誤差が含まれます。その誤差のため、他のユーザは、その機器の位置を知ることが難しいことがあります。

 そこで、携帯電話などの機器の位置を把握するための情報が必要とされています。

位置計測を複数回して結果をまとめて送信する


 この発明では、携帯電話などの機器が、その機器の位置の把握のために有益な情報を提供します。

 具体的には、携帯電話などの機器は、他の機器から位置計測をするためのメッセージを受信すると、複数回の位置の測位を複数回連続して行います。

 そして、複数回取得した位置を、その機器に対してまとめて送信します。位置を取得した機器では、取得した複数の位置を地図上に表示します。このようにすることで、携帯電話の機器に誤差がある場合でも、その位置をしるための有益な情報を得ることができます。

 明細書本文からはあまり読み取れませんが、図面では、位置を計測する機器が、子供用の携帯電話、キッズ携帯のマモリーノになっています。つまり、親の携帯電話から子供の携帯電話の位置を確認するケースを想定していることがわかります。

 特許第6194156号 京セラ株式会社
 出願日:2012年4月27日 登録日:2017年8月18日

【課題】
他の機器を所持するユーザの位置を把握するために有益な情報を提供できる携帯電子機器、位置情報送信プログラム及び位置情報送信システムに対する必要性がある。
【請求項1】
 無線通信する通信部と、
 位置測位に基づく位置情報を、前記通信部により特定の機器に対して送信する制御部と、を有し、
 前記制御部は、所定の一斉配信型メッセージを受信すると、当該所定の一斉配信型メッセージの受信後に複数回の位置測位を連続して行った後に、前記複数回の位置測位により取得された複数の位置情報をまとめて、前記特定の機器に同時に送信する携帯電子機器。

今日のみどころ

 携帯電話の位置の測位をするときに、従来は1回計測して送信する、というところを、複数回計測して結果をまとめて送信する、とするのがポイントです。

  • 従来:1回計測して結果を送信
  • 本発明:複数回計測して結果をまとめて送信

 すごくシンプルですがこれで特許が認められています。シンプルな特許、とてもいいですね。