ETCカードの書込成否に基づきETC利用料金の収受をより確実にする発明 日立

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 この発明の料金収受方法では、高速道路などの有料道路の入口に設置された制御装置から、ETCカードへの料金所番号の書き込みのためのETCカード情報をETC車載器に通知した後、ETCカードへの書き込みが成功したか否かを確認します。そして、書き込みが失敗した場合に生成する情報を用いて、有料道路の出口を通過するときに情報を修正して適切に利用料金を収受します。

 フリーフローETCシステムでより確実に利用料金を収受することに役立ちます。

 特許第5684546号 株式会社日立製作所
 出願日:2010年11月26日 登録日:2015年1月23日

ETCゲートと車載器との無線通信の異常により料金収受ができない問題

 高速道路などの有料道路の出入口などで料金を支払うETCの普及が進んでいます。ETCでは、ETCゲートに設置された「ETC無線制御装置」と、自動車に搭載された「ETC車載器」との間で所定の情報を通信します。これより、有料道路への入口のETCゲートを通過するときにETCカードに料金所番号などを書き込みます。また、出口のETCゲートを通過するときに通行料金などをETCカードに書き込みます。このようにして、適切な料金の収受がなされます。

 しかし、入口のETCゲートのETC無線制御装置とETC車載器との無線通信中に通信異常が発生するなどして、ETCカードに適切に情報を書き込むことができなかった場合には、利用料金の収受ができないという問題があります。

 開閉バーがある料金所ETCではバーを閉じることで人によりその場で料金の収受ができますが、開閉バーがないフリーフローETCでは利用料金の収受ができずクレジットカードなどの別システム(後方支援)にゆだねることになります。

ETCカードへの情報の書き込み失敗時に生成する情報により、ETCカード情報を修正

 この発明のETC無線制御装置は、高速道路などの有料道路の入口に設置され、ETCカードへの料金所番号の書き込みのためのETCカード情報をETC車載器に通知した後、ETCカードへの書き込みが成功したか否かを確認します。そして、書き込みが失敗したことを検出すると、センタシステムが保有している通信異常リストにこのETC車載器の情報などを登録します。

 また、他のETC無線制御装置はセンタシステムから最新の通信異常リストを取得します。そして、自動車が有料道路の出口のETCゲートを通過するときに、この自動車のETC車載器が通信異常リストに掲載されていないか確認し、掲載されている場合には、通信異常リストの料金所番号などを用いてETC情報を修正します。

 これによりETC情報を正しい情報に修正した上で、利用料金の収受を適切に行うことができます。

【課題】
通過した料金所の情報や通過日時等がETCカードに正しく書き込まれなかった場合でも、次の料金所を通過した際に自動で料金徴収を行うことができる電子料金収受システムを提供する。
【請求項1】
 有料道路の料金所に設置されたETC無線制御装置(「ETC」は登録商標)が、前記料金所を通過する車両に搭載されたETC車載器との間で通信することにより、前記車両の乗員から料金を収受する電子料金収受方法において、
 前記ETC無線制御装置は、
 前記ETC車載器から送信される、前記ETC車載器の識別情報であるWCN情報と、前記ETC車載器に装着されているETCカードのカード識別情報、入口の料金所の識別情報および課金料金所の識別情報を含んで構成されるETCカード情報と、を受信する受信手段と、
 前記受信したETCカード情報に自己が設置された料金所の識別情報を追加したETCカード情報を、前記ETC車載器へ送信する送信手段と、
 前記送信手段を介して送信したETCカード情報が前記ETCカードへ正常に書き込まれたか否かを判定する判定手段と、
 前記ETC車載器のWCN情報と前記料金所の識別情報とを含んで構成された通信異常情報を、ネットワークを介して接続されたセンタシステムへ送信し、前記センタシステムに対し、前記送信した通信異常情報を通信異常リストに登録することを求める通信異常情報送信手段と、
 前記センタシステムから送信される前記通信異常リストを記憶する記憶手段と、
 を備え、
 前記有料道路の出口の料金所に設置された前記ETC無線制御装置は、
 前記受信手段を介して前記WCN情報と前記ETCカード情報とを受信した際に、前記WCN情報を検索キーとして前記記憶手段に記憶されている通信異常リストを検索し、
 前記検索の結果、前記WCN情報と同じWCN情報を有する通信異常情報が抽出されたときには、前記抽出された通信異常情報に含まれる料金所の識別情報によって、前記受信手段を介して受信したETCカード情報を修正し、
 前記受信したETCカード情報、または、前記受信したETCカード情報が修正されたときには前記修正されたETCカード情報を用いて料金収受を行い、
 前記料金収受に用いたETCカード情報に前記出口の料金所の識別情報を課金料金所の識別情報として追加した情報を、前記送信手段を介して前記ETC車載器へ送信して前記ETCカードに書き込ませ、
 前記判定手段によって前記ECTカードへの書き込みが異常終了したと判定された場合には、前記WCN情報と前記出口の料金所の識別情報とを含んだ前記通信異常情報を、前記通信異常情報送信手段を介して前記センタシステムへ送信し、前記センタシステムに対し、前記送信した通信異常情報を前記通信異常リストに登録することを求める
 ことを特徴とする、電子料金収受方法。

今日のみどころ

 高速道路などの有料道路の入口でETCの無線通信が成功したかどうかを判定し、成功しなかった場合に生成する情報(異常リスト)を用いてETCカード情報を修正することで、料金の収受を適切に行うことができるという点がポイントです。

 開閉バーがないフリーフローETCシステムは、コスト削減、渋滞緩和、交通事故の抑制などの効果があり導入の検討が行われているようです。開閉バーがないことは運転者への精神的なプレッシャーを削減する効果もあると思います。一方、開閉バーがないので、確実に、また、比較的簡易な処理により料金の収受が行われるしくみの検討が必要です。

 私は高速道路などのETCのゲートの開閉バーが開くかどうか不安になってスピードを落としすぎることが多いので、フリーフローETCシステムが普及してくれるとうれしいです。すばらしい。