予約ペースに基づいてゴルフ場の利益を最大化する予約システムの発明 楽天

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 インターネット上でゴルフ場の検索や予約ができる予約システムに関する発明です。

 この予約システムでは、予約ペースが速いゴルフプランの内容に、他のゴルフプランの内容を近づけるように修正します。これにより、ゴルフプランの予約数を大きくすることができる効果があり、ゴルフ場の利益の損失の回避につながります。

 特許第5635722号 楽天株式会社
 出願日:2014年3月25日 登録日:2014年10月24日



 ※特許の本の紹介。
 特許の申請(出願)をする技術者や研究者が知っておかないといけない特許の知識がわかりやすくまとめられている良著です。

需要が低いゴルフプランを開催できないことで利益損失につながる問題

 インターネット上でゴルフ場の検索や予約ができる予約システム(予約サイト、検索サイト)があります。
 従来の予約システムでは、さまざまな条件を有するゴルフプランを保有しており、ユーザが指定する条件に合致するものを検索してユーザに提示するようになっています。上記の条件とは、例えば、プレイ日、ゴルフ場の条件、プレイ料金、食事付きか否か、キャディ付きか否かなどがあります。

 しかしながら、条件の組み合わせによって需要が高いプラン、需要が低いプランが生じてしまい、需要が低いプランの参加が少ない等の理由で開催できないと、ゴルフ場の利益の損失につながることがあるという問題があります。

速い予約ペースのプランの内容に、他のプランの内容を近づける

 この発明の情報処理装置では、予め複数のプランに関する情報を保有しています。そして、ユーザからゴルフプランの予約を受けると、その予約数(予約ペース)に応じて、ゴルフプランのプレイ条件を変更したり、新たなプレイ条件を有する新たなゴルフプランを追加したりします。

 具体的には、予約ペースが一定以上速いゴルフプランの内容に近づけるように、その他のゴルフプランの内容を変更します。また、予約ペースが一定以上速いゴルフプランの内容の一部共通するゴルフプランを追加します。例えば、食事付きのプランの予約ペースが閾値以上である場合、他の食事なしのプランを食事付きに変更します。

 その結果、予約システムが保有するゴルフプランを、設定当初から入念に検討しなくても、ゴルフプランの予約数を大きくすることができる効果があります。ゴルフ場の利益の損失の回避につながります。

 なお、通信技術は、予約システムと端末との通信に使われていますが、発明のポイントにはなっていません。

【課題】
ゴルフプランへの予約数を最大化させることが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【請求項1】
 複数のユーザ端末と通信可能な通信部と、
 所定のゴルフ場におけるそれぞれ異なるプレイ条件を有する、予約受付可能な複数のゴルフプランに関するプラン情報を記憶する記憶部と、
 前記通信部を介して、前記記憶部に記憶されたプラン情報を前記ユーザ端末へ送信し、当該ユーザ端末から、ユーザによって選択されたゴルフプランへの予約を受け付け、所定のゴルフプランへの予約数に応じて、前記記憶されたプラン情報における他のゴルフプランのプレイ条件を変更するか、上記複数のゴルフプランとは異なるプレイ条件を有する新たなゴルフプランを前記記憶されたプラン情報に追加することが可能な制御部と
 を具備する情報処理装置。

今日のみどころ

 この発明の情報処理装置は、ハードウェア的にはCPU及びメモリを備えるパソコンで、ソフトウェアに技術的特徴があります。いわゆるビジネスモデル特許とか、ソフトウェア特許とかと言われる類の発明です。

 請求項1にゴルフの予約システムという用語をいれて、発明の対象をある程度限定しています。このアプローチだと、最初から発明の対象が絞られるというデメリットがあるものの、ある程度の権利範囲で権利化した場合には有効であると思います。技術的特徴から考えてそれくらいの特許戦略が妥当と考えた結果なのかもしれません。良いと思います。

コメント

  1. […] ビジネスモデル的な発明では、予約ペースに基づいてゴルフ場の利益を最大化する予約システムの発明 楽…という記事が紹介されています。僕はゴルフはしないのですが、ゴルフ予約システムってなんだろう?というのが最も気になりました。 […]