今回は、オンラインゲームのアイテムの取り引きに関する特許を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。
従来、アイテムを同一価格で販売すると得喪を発生させる可能性がある(賭博罪成立の可能性がある)という問題があります。
本発明では、オンラインゲームのアイテムの販売のあとに取引をする制御をします。これにより、得喪を発生させずに取引対象(例えばアイテム)を販売することができます(賭博罪の成立を回避できます)
アイテムを同一価格で販売すると得喪を発生させる可能性がある(賭博罪成立の可能性がある)
オンラインゲームで使用されるアイテムの取引システムがあります。取引システムによって、アイテムを多くの利用者に拡散させることができ、取り引きを活性化することができます。
このようなアイテムの取り引きにおいて、アイテムの価値にばらつきがある場合に、ランダムに選択したアイテムを同一価格で販売しようとすると、得喪が発生する可能性があるという問題があります
得喪が発生する可能性があると、賭博罪が成立してしまう可能性があります。アイテムを販売する際に賭博罪が成立しないようにする、言い換えれば、賭博罪を成立させないようにアイテムを販売することが課題です。
オンラインゲームのアイテムの販売のあとに取引をする制御
この発明のプログラム(情報取引プログラム)は、得喪を発生させずに取引対象(例えばアイテム)を販売することができます。
具体的には、まず、取引対象(具体的には、トークン、アイテム)をセットにしたグループを作り、グループに属する取引対象をランダムに選択して販売します。
そして、その販売のあとの、特定の日時以降に取引対象の取り引きをします。
このようにすることで、トークンの価値が変動する前にトークンを販売するように制御できます。トークンの取り引きが始まってしまうとトークンの価値が変動してしまい、得喪が発生する可能性がでてきます。そこで、トークンの価値が変動する前にトークンを販売することで、得喪が発生することを回避することができます。(賭博罪の成立を回避できます)
特許第6572493号 CryptoGames株式会社
出願日:2019年1月24日 登録日:2019年8月23日
得喪を発生させずに取引対象をランダムに販売する情報取引プログラム及び情報処理装置を提供する。
【請求項1】
コンピュータを、
予め定められた日時に基づいて、取引対象の販売可否を判断する判断手段と、
前記判断手段が販売可能と判断した場合、取引対象が属するグループの種類、当該グループに含まれる取引対象の数量及び販売価格を指定することでセットを定義したセット販売情報に基づき、グループ毎に当該グループに属する取引対象をランダムに選択して販売するセット販売手段と、
前記予め定められた日時以降に取引対象の所有者間における当該取引対象の取引を受け付けるよう制御する取引制御手段として機能させるための情報取引プログラム。
今日のみどころ
オンラインゲームでのアイテムなどの情報を得喪を発生させずに販売する発明です。
「得喪を発生させずに販売」という部分は、賭博罪に該当しないようにするという目的があるようですが、そこはあまり前面に出さないようにされているように思います。違法にならないようにするということが技術的な課題として認められないからだと推測します。
法律に関する制約を守るための技術というのもいろいろあって、通信系では、電波法を遵守するための技術アイデアがよくあります。このような発明の明細書を書くときに参考にできそうです。