【特許紹介】センサと中継装置を常時接続しないでセンサを管理する特許発明(リクルート)を紹介

 今回は、鍵の解施錠に関するを紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。

 従来、スマホを用いた鍵の解施錠システムでセンサの常時接続が必要です。

 この発明では、センサが送信する情報の変化をきっかけとして上位装置に通知するようにします。これにより、センサと中継装置とを常時接続することなく、センサによる情報の取得を管理装置で管理することができます。



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スマホを用いた鍵の解施錠システムでセンサの常時接続が必要

 従来、スマホ(スマートフォン)を利用して鍵の開閉を行うシステムがあります。スマホがユーザを認証し、認証されたユーザの場合に、鍵の開閉が行われます。

 また、スマホを用いる代わりに、ユーザからパスワードを受けるセンサを用いるシステムが検討されています。

 このような構成では、センサから離れた場所に設けられる管理措置にパスワードを送ることが考えられます。その場合、センサと管理装置との間に中継装置を配置し、センサと中継装置を常時接続する必要があります。

センサが送信する情報の変化をきっかけとして上位装置に通知


 この発明のシステム(認証情報取得システム)は、センサと中継装置とを常時接続することなく、センサによる情報の取得を管理装置で管理することができます。

 具体的には、認証情報取得システムは、センサと、センサと通信可能な中継装置と、中継装置と通信可能な上位装置(管理装置)とを備えています。

 センサは、ユーザから認証情報を受け付けます。センサは、ユーザから認証情報を受け付ける前からセンサ情報をブロードキャストしています。センサ情報には、ある値(対象値)が含まれています。

 また、センサは、ユーザから認証情報を受け付けたあとは、それまでとは異なる対象値を含むセンサ情報をブロードキャストします。

 中継装置は、センサが送信するセンサ情報を受信します。そして、受信したセンサ情報に基づいて(具体的には、センサ情報に含まれている対象値が変化すると)、上位装置に通知します。通知には、センサに認証情報を送信させるための送信要求情報が含まれています。

 このようにすることで、センサと中継装置とを常時接続することなく、センサが取得した認証情報を上位装置で管理することができます。

 特許第6814900号 株式会社リクルート
 出願日:2020年3月19日 登録日:2020年12月23日

【課題】
センサと管理者側の装置との間で情報を中継する中継装置を備える構成において、センサと中継装置との間の通信を常時接続することなく、センサによる認証情報の取得を管理者側の装置で監視することを可能とする。
【請求項1】
 所定の権限を認証するための認証情報を受け付けるセンサと、
 前記認証情報に基づいて前記権限を認証する上位装置と前記センサとの間で送受信される情報を中継する中継装置と、を含み、
 前記センサは、対象値を含むセンサ情報をブロードキャストし、前記認証情報を受け付けると、受け付け前と異なる対象値を含むセンサ情報をブロードキャストし、
 前記中継装置は、センサ情報に基づいて前記センサによる前記認証情報の受け付けを検知すると、前記センサに前記認証情報を送信させるための送信要求情報の発行を前記上位装置へ要求する、
 認証情報取得システム。

今日のみどころ

 スマホで鍵の解施錠するシステムにおいて、センサと中継装置との常時接続を、しなくてよくする発明です。鍵の解施錠はいままでもできていましたが、いままで必要だった常時接続をしなくてよくするという方向性で新しいアイデアを出しています。

 こういうふうに、いままでできていたけど必要だった構成をなくする、というアプローチで課題を設定するのもおもしろいですよね。すばらしい。