今回は、車両の自動運転に関するを紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。
従来、車両の性能差により複数の車両の合計の燃料消費率が大きくなってしまう問題があります。
この発明では、複数の車両の合計の正味燃料消費率の和を最小にする駆動力から、各車両の加速度を算出します。これにより、渋滞を緩和しながら、複数の車両の合計の燃料消費量を抑制することができます。
車両の性能差により複数の車両の合計の燃料消費率が大きくなってしまう問題
車両の運転を支援する技術があります。例えば、複数の車両の燃料の消費量が少なくなる走行パターンとなるようにする技術があります。
また、複数の車両がある状況では、車両の性能差により、発進タイミングや加速度の違いによって渋滞が起きることがあります。
そのような状況では、燃料消費率が大きくなってしまうことがあるという問題があります。
複数の車両の合計の正味燃料消費率の和を最小にする駆動力から、各車両の加速度を算出
この発明の装置(自動運転統合制御装置)は、渋滞を緩和しながら、複数の車両の合計の燃料消費量を抑制することができます。
まず、複数の車両から、その車両の現在位置と、正味燃料消費率(または正味電力消費率)を受信します。
次に、複数の車両の正味燃料消費率の和が最小となる駆動力を求め、駆動力に基づいて車両ごとの加速度推定値を算出して、車両に送信します。
正味燃料消費率の和を算出する際には、例えば、BSFCマップ(横軸:エンジン回転数、縦軸:エンジントルク)を参照して、BSFCの和が最小になる駆動力を決定します。
このようにすることで、複数の車両の正味燃料消費率の和を最小にしながら、渋滞を緩和することができます。
特許第6612916号 株式会社SUBARU
出願日:2018年3月29日 登録日:2019年11月8日
複数の車両を自動運転制御して渋滞を緩和しつつ、複数の車両の合計の燃料消費量を抑制することが可能な、新規かつ改良された自動運転統合制御装置及び自動運転統合制御システム並びに車両の制御装置を提供する。
【請求項1】
車両から少なくとも現在位置の情報及び正味燃料消費率又は正味電力消費率の情報を含む車両情報を受信するサーバ側受信処理部と、
受信された前記車両情報のうちの少なくとも前記正味燃料消費率又は正味電力消費率の情報に基づいて、前記複数の車両の前記正味燃料消費率又は正味電力消費率の和が最小となる駆動力を駆動力基準値として求め、当該駆動力基準値に基づいて車両ごとに加速度推定値を算出し、算出された前記加速度推定値のうちの最小の値を自動運転用の加速度指令値として算出する指令値算出部と、
算出された前記加速度指令値をそれぞれの車両に向けて送信するサーバ側送信処理部と、
を備えた、自動運転統合制御装置。
今日のみどころ
車両の自動運転の技術もどんどん進んでいます。事故を回避するような方向もありますが、本発明は、渋滞の抑制、燃費の向上の効果を狙っています。
複数の車両全体の燃料消費率の和を最小にできるように、各車両の加速度を算出するところがポイントだと思います。