【特許紹介】車両が目的地まで到達するまでに完了できる業務を提案して効率を上げる特許発明(トヨタ)を紹介

 今回は、車両で移動するユーザへの業務の支援に関する発明を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。

 従来、車両での移動時間を有効に業務に利用できない問題があります。

 この発明では、目的地までの所要時間内に完了できる業務をユーザに提案します。これにより、ユーザは、車両が目的地に到達するまでに完了できる業務が何であるかを知ることができ、業務を効率的に進めることができます。



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車両での移動時間を有効に業務に利用できない問題

 業務をするときに、車両で場所を移動することがあります。例えば、他者とのミーティングをするときや、帰宅するときです。

 車両で移動する場合に、その車両内で業務をすることがありますが、移動時間が限られているので、効率的に業務をすることが容易ではありません。

 このように、ユーザは、車両による移動時に移動時間を効率的に利用することができないという問題があります。

目的地までの所要時間内に完了できる業務を提案する


 この発明の業務支援システムでは、移動時間を、ユーザの業務遂行に効率的に利用できるようにします。

 この発明では、車両が自律的に走行してユーザを移動させるサービスを提供していることが想定されています。(その場合に限定されているわけではありません)

 まず、ユーザの目的地に車両が到達するのに要する所要時間を算出します。

 次に、ユーザが車両に乗車したときに残存しているユーザの業務に関する情報を取得します。

 そして、残存している業務のうち、車両が目的地に到達するまでの所要時間内に完了できる業務を抽出してユーザに提案します。

 このようにすることで、ユーザは、車両が目的地に到達するまでに完了できる業務が何であるかを知ることができ、業務を効率的に進めることができます。

 逆に言うと、所要時間内に完了できない業務に手を付けてしまうことがなくなるので、効率が悪くなることを回避できるとも言えます。

 特許第6635107号 トヨタ自動車株式会社
 出願日:2017年12月27日 登録日:2019年12月27日

【課題】
ユーザが車両による移動を行う場合にも、その移動時間を該ユーザの業務遂行に効率的に利用するための技術を提供する。
【請求項1】
 情報処理装置を有する車両において、該情報処理装置を用いたユーザの業務遂行を支援する業務支援システムであって、
 ユーザに関連付けて設定された所定の目的地に前記車両が到達するのに要する所要時間を算出する算出部と、
 ユーザを識別する識別情報と、該ユーザにおいて完了すべき残存業務に関する残存業務情報とを関連付けて記憶する業務管理データベースから、該ユーザが前記車両に乗車した場合に残存している該残存業務に関する該残存業務情報を取得する取得部と、
 前記残存業務情報に含まれる残存業務の中から、算出された前記所要時間内にユーザが前記情報処理装置を介して完了可能な所定業務を抽出し、ユーザがアクセス可能な所定装置を介して該抽出された所定業務を提案する提案部と、
 を備える、業務支援システム。

今日のみどころ

 自動運転の時代になると、車両が自律的に移動してくれて、社内でユーザは業務を遂行できるようになりますね。そんな時代に役に立ちそうな発明です。

 ただし、請求項には、車両が自律走行をするというような限定がないので、人が運転している車内で業務をする場合も、いちおう権利範囲に含まれる可能性があります。

 着眼点がおもしろいですよね。

 コンピュータを利用した情報処理のアイデアで、いわゆるソフトウェア特許とよばれるものに該当すると思います。請求項や明細書の書き方の参考にもなります。