主婦のアイデアについて特許をとってみたい。特許の取り方や手続きを知りたい。
でも、アイデアを思い付いたけど、特許をとるためにどうしたらいいんだろう。
特許を取るのに詳しい人は、なかなかその辺にはいないですよね。かといっていきなり専門家に質問するのも大変だし。
この記事では、主婦のアイデアの特許化をどう進めたらよいかについての情報をシェアします。特許化の次の段階である商品化についての情報も紹介します。
私は特許事務所で実務を8年経験しており、大企業の発明のほか、社員数人の企業の発明、個人の発明についても特許化のお手伝いをしたことがあります。主婦や個人の発明者の立場で、こうやれば特許事務所をうまく使えるという方法もわかるし、反対に、こうやるとうまく使えないという方法もわかります。
自分のアイデアについて特許をとりたい主婦や個人発明家のみなさんは、この記事を参考にして、アイデアを特許化したり商品化したりするための第一歩を進めることができると思います。
以下で詳細に説明します。
主婦が特許を取るにはどうしたらよいかわからない
主婦が特許を取って、特許の収入を得る。すこしあこがれますね。主婦の知恵のようなアイデアが商品化されたり、テレビや雑誌で紹介されてちょっと有名になれたりすると、一段とうれしいですよね。
主婦が特許を取るにはどうしたらよいか。
特許をとるには「特許出願」(*1)という手続きをして、そのあとにもいくつか手続きをしないといけないです。
*1:法律上は「特許出願」という用語が使われますが、一般には「特許の申請」という言葉が使われることも多いです。
主婦が特許を取るときは、その手続きはだれがするんだろう?特許のことを知らない主婦が、自力で特許出願をすることなんてできるの?
よくわからないですよね。
主婦が特許の手続きを全部やらないといけないの?
例えば企業の社員が発明をした場合なら、特許の専門の部門(*2)が特許の手続きを進めてくれます。その部門が手続きをすべて行うこともあるし、特許の専門家である弁理士(特許事務所)を使って手続きをすることもあります。
*2:知財部または法務部などが該当します。
特許に関することはその部門の社員や弁理士が担当するので、一般の社員はあまり知らなくても、特許出願できてしまいます。慣れている社員や弁理士が上手に進めれば、特許を取れてしまうことも多いです。
でも、主婦や個人発明家だと、企業でいう専門の部門は、いてくれません。最初から最後まで全部自分で手続きをするしかないのかな。それとも、誰かが手伝ってくれるのかな。そんな疑問がわきますよね。
しかも、特許がとれたらお金をもらえるのかな、何か手続きがいるのかな。自分の特許に引っかかった商品を誰かが見つけてくれるのかな。自動的にお金が振り込まれてくるのかな。
そんな疑問もわきますよね。
気を付けないといけないことが多すぎる
特許の手続きは、技術的な面や、手続き的な面で気を付けないといけないことがたくさんあります。正直、気を付けないといけないことが多すぎです。
そういうことをしっかりするのが、特許のプロである弁理士(特許事務所)の役割です。
技術的な面では、なるべく広い権利、強い権利がとれるように、適切な言葉を使って発明を表現するように気を付けます。外国の出願もできるように、翻訳しやすい日本語を使うように気を付けます。
手続的な面では、書類の選定や書類の内容のミスをしないようにチェックし、過去のミスを繰り返さないように気を付けます。書類の提出時期のミスもしないように気を付けます。
弁理士(特許事務所)は、毎日毎日、特許の手続をしながら、仕事の仕方をレベルアップさせていっています。
そんな難しい仕事を、経験のない主婦がはじめてやってうまくできるとは、なかなか思えません。仮に特許がとれても、あまり強くない、かんたんに逃げられてしまう特許になってしまいます。
主婦が特許を取る方法
では、主婦が特許を取る方法にはどのような方法があるか、これを解説していきます。
特許出願の手続は、発明者の本人がすることもできるし、発明者と異なる人(出願人という)が出願することもできます。また、特許の専門家である弁理士に出願の手続をしてもらう(代理してもらう)こともできます。
弁理士に依頼するには、特許事務所に直接連絡をとるほか、弁理士会が開催している「発明の無料相談」を利用することもできます。
このようなことを踏まえると、主婦が特許出願する場合にありうるパターンとしては以下の3つがあると思います。
2.直接に特許事務所に依頼して特許出願
3.自分で特許出願
各パターンについて以下で説明を加えます。
1.発明の無料相談をしてから特許事務所に依頼して特許出願
特許事務所って行ったこともないし、ちょっと怖い気もしますね。
そういう場合、日本弁理士会が全国で開催している「発明の無料相談」(*3)という相談会を利用するのがおすすめです。
*3:関東、関西、東海のほか、各地方で開催されているので、調べてみてください。開催地域ごとに開催日、時間がことなるのでご注意ください。
「発明の無料相談」では、出願やその他の手続について弁理士が無料で相談にのってくれます。そこで出願することになったら、その弁理士に出願を依頼することもできます。無料なのは相談まででして、出願は有料になります。
出願については、次の「2.」を読んでください。
2.直接に特許事務所に依頼して特許出願
特許事務所に依頼して、特許出願の手続をしてもらう方法を説明します。
直接に特許事務所に依頼する場合も、上記「1.」で無料相談をしてから特許事務所に依頼する場合も同じです。
特許事務所の弁理士にアイデアの内容を説明して書面を作成してもらいます。良い権利を作るためにディスカッションをしながら発明の内容を固めます。
特許事務所に出願を依頼する場合、ある程度費用が必要になります。特許事務所ごとに差がありますが、だいたいこちらが参考になります。
出願までにかかる時間や費用をしっかり同意してから進めるのがよいと思います。
似た技術がすでにないかという調査を出願前にしてくれる場合もありますが、そのような調査が有料なのか、無料なのか、してくれるか、なども確認しましょう。
なお、特許の手続についてあまりよく知らない人は、特許事務所との話がわからないかもしれないです。この本をざっと読んで頭に入れておきましょう。
3.自分で特許出願
特許事務所を使わずに自分で特許出願することもできます。上記のとおり、特許事務所がやる仕事の一部を自分ですることになります。
なので、特許事務所に支払う費用はなくなりますが、書面の作成や手続きをしないといけない大変さがあります。
大変だけど勉強になる、という意見もあるのですが、上手にできるようになるまでにどんどん時間が過ぎ、お金もかかってしまうかも。
特許事務所の仕事を少し知っている人や、そのような人が身近にいる場合には良い選択肢になると思います。費用を抑えながらうまく進められると思います。以下の情報源が参考になります。
商品化への道
特許事務所で特許出願すると、特許になるまでの間の手続を進めてくれます。そして、発明が特許要件を満たせば、特許がとれます。
その後、特許をとったあとの商品化や収入の確保については、特許事務所の仕事の外です。商品化については、それをメインにやっている会社がありますのでそこに依頼するのがよいとおもいます。
特許をすでにとっておくと、商品化をメインにやっている会社にアイデアを持ち込んだあとにスムーズに商品化が進むメリットがあります。
一例として、以下のような企業がありますので、商品化を考えている方は検討してください。特許出願後、特許がとれるまでに数か月~1年以上かかりますので、その間に検討すればよいと思います。
今日のみどころ
主婦のアイデアの特許化と、商品化について情報をシェアしました。
商品化ともなるとたくさんの協力者の協力が必要になると思います。協力しながら進めていけるといいですね。
あと、本記事で紹介した書籍を以下にまとめていますので、ご参考に。