今回は、selmee(セルミー)の自撮りコンテンツに関する発明を紹介します。
従来、写真や動画コンテンツを投稿しても売買できない問題がありました。
この発明では、投稿された写真や動画が自撮りであるか判断して、自撮りであると判断されたもののうち購入リクエストがあったコンテンツの課金処理が行われます。これにより、コンテンツの売買ができ投稿者に利益が還元されます。
写真や動画コンテンツを投稿しても売買できない問題
従来、動画や静止画などのコンテンツを投稿して他の人と共有するサイトがあります。このようなサイトの中でも、特定のジャンルに特化した投稿サイトがあります。
その1つとして、スマホ(スマートフォン)で自身を撮影してコンテンツを生成、投稿して、セルフプロデュースをすることができる投稿サイトがあります。
しかし、これまでの投稿サイトでは、コンテンツの売買ができず、コンテンツの投稿者に利益が還元されないという問題がありました。
投稿された写真や動画のコンテンツが自撮りであるか判断して課金処理
この発明では、ユーザが自撮りして生成したコンテンツ(静止画または動画)の売買を可能とします。
まず、ユーザが自撮りして生成したコンテンツの投稿を受け付けます。コンテンツを受け付けたら、自撮りされた写真や動画であるかどうか、つまり、そのコンテンツにユーザ本人が撮影されているかどうかを判断します。
そして、ユーザ本人が撮影されているコンテンツだった場合に、そのコンテンツのプレビュー用のコンテンツを生成して出力します。プレビュー用コンテンツに対して購入のリクエストを受けると課金処理が行われて売買が成立するという流れです。
ユーザ本人が撮影されているかどうかを判断するには、あらかじめ登録されているユーザの顔の画像と、投稿されたコンテンツの中での人の顔の画像のマッチング(特徴点マッチング)の技術を使うというアイデアもあります。
自撮りが売れるSNS「selmee セルミー」の発明
この特許は、自撮りが売れるSNS「selmee セルミー」の特許発明です。
「selmee セルミー」というのは、美容師のマッチング「requpo」を提供する会社リクポのサービスで、セルフブランドする人向けのサービスです。
「自撮り」を特徴とするサービス上のポイントなのですが、特許的にも最終的に「自撮り」に限定して特許を取得することができています。広すぎず狭すぎず、ちょうどよい広さの権利ができていると思います。
特許第6157711号 株式会社リクポ
出願日:2016年12月5日 登録日:2017年6月16日
誰でも自撮りしたコンテンツを提供でき、投稿されたコンテンツを売買でき、コンテンツの投稿者本人に利益を還元することができるコンテンツ提供装置、方法およびプログラムを提供する。
【請求項1】
自撮りにより生成されたコンテンツの投稿を受け付ける投稿受付部と、
前記投稿受付部により受け付けたコンテンツが所定の基準を満たしているかどうかを判断する判断部と、
前記判断部により前記所定の基準を満たしていると判断されたコンテンツをコンテンツ記憶部に記憶する記憶処理部と、
前記コンテンツ記憶部からコンテンツを読み出し、読み出したコンテンツに基づいてプレビュー用のコンテンツを生成する生成部と、
前記生成部により生成されたプレビュー用のコンテンツを出力する出力部と、
端末装置からコンテンツを購入するリクエストを受け付けるリクエスト受付部と、
前記リクエスト受付部により受け付けたリクエストに応じて課金処理を行う課金処理部と、
前記課金処理部による課金処理が行われた後に、リクエストされたコンテンツを前記コンテンツ記憶部から読み出し、読み出したコンテンツを端末装置に送信する送信部とを備え、
前記所定の基準を満たしているとは、少なくとも、コンテンツに投稿者本人が含まれている場合をいうコンテンツ提供装置。
今日のみどころ
セルミーという自撮りのコンテンツ共有サービスの特許発明で、ビジネスモデル特許の典型と言えると思います。請求項で、「課金処理」という用語がでてくるあたり、ビジネスモデル特許ならではの書き方でしっかり特許をとることができています。
ビジネスモデル特許の請求項や明細書の書き方の参考になります。
なお、この特許は、下記のサイトの管理人のシゴクリ大橋様からのリクエストを受けて読んでみました。他のみなさまもリクエストください。できる範囲で紹介したいと思います。