従来、ロボット掃除機が埃などを巻き上げてしまい、掃除後に床面に積もる問題がありました。
この発明では、ロボット掃除機による掃除後に空気清浄機を強めるように制御することで、ロボット掃除機が掃除中に巻き上げた埃などを除去します。これにより、掃除後に埃などが床面に積もる問題を解消します。
特許第6188420号 トヨタホーム株式会社
出願日:2013年5月20日 登録日:2017年8月10日
ロボット掃除機が埃などを巻き上げてしまい、掃除後に床面に積もる問題
住宅などの建物内を自動的に掃除するロボット掃除機(自走式掃除機)に関する発明です。
ロボット掃除機は、掃除によって、ある程度の大きさがあるゴミなどを効率よく吸い取ることができます。一方、埃や微小な砂粒などを巻き上げてしまうことについての配慮がなされていませんでした。
そのため、従来のロボット掃除機は、掃除によって埃や微小な砂粒などを巻き上げてしまい、埃や微小な砂粒が掃除後に床面に積もってしまうという問題がありました。
掃除後に空気清浄機を強めることで埃などを除去
この発明のクリーニングシステムは、ロボット掃除機と、ロボット掃除機が掃除する空間に設置されている空気清浄装置とを制御するシステムで、その具体例は、住宅管理システム(HMS/ Home Management System)又は住宅エネルギー管理システム(HEMS/ Home Energy Management System)です。クリーニングシステムは、無線LAN等の通信によってロボット掃除機及び空気清浄機を制御します。
具体的には、クリーニングシステムは、ロボット掃除機が掃除をしているときの空気清浄機の運転強度より、ロボット掃除機が掃除をした後の空気清浄機の運転強度を強くするように制御します。
これにより、ロボット掃除機が掃除を終えた後に空気清浄機の運転強度が強くなり、ロボット掃除機が掃除によって巻き上げた埃や微小な砂粒を空気清浄機によって取り除くことができます。
掃除中に巻上げた少なくとも塵を効率良く取除き、掃除後の清掃状態を良好とすることができるクリーニングシステムを得る。
【請求項1】
清掃領域内を自走して掃除する自走式掃除装置と、
前記清掃領域内における空気中の少なくとも塵を取除く空気清浄装置と、
前記清掃領域内における前記自走式掃除装置の掃除動作を制御すると共に、前記空気清浄装置の前記掃除動作中の空気を清浄にしている運転強度よりも前記掃除動作後の運転強度を強く制御する制御装置と、
を備えたクリーニングシステム。
今日のみどころ
ロボット掃除機の掃除の動作に基づいて、空気清浄機の運転強度の制御を行う発明です。従来、ロボット掃除機の動作と空気清浄機の動作は、別個のものでした。しかし、これらの両方を制御できるシステム(HMS, HEMS)が登場したことによって、これらの動作を関連づけて制御できるようになり、この発明が実現可能になったといえます。
いままで別々だったものの制御を関連付けてできるようにするというアイデアはほかの分野でもよくあることです。そういうところから発明がうまれることも多いです。注目してみましょう。