【特許紹介】NFTとは異なる対象物の取り引きの管理にNFTを利用する特許発明(bacoor dApps)を紹介

 今回は、NFT(Non-Fungible Token)に関する特許を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。

 NFTを、NFTとは異なる対象物の取り引きに管理に利用することを課題としています。

 本発明では、アクセス識別子に示されるNFTに対する操作をスマートコントラクトにより実行します。これにより、NFTを、NFTとは異なる対象物の取り引きに管理に利用することができます。



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 特許の申請(出願)をする技術者や研究者が知っておかないといけない特許の知識がわかりやすくまとめられている良著です。

NFTを、NFTとは異なる対象物の取り引きに管理に利用する

 ブロックチェーンのような分散台帳技術によりNFT(Non-Fungible Token)を管理する技術があります。

 NFTは、非代替性トークンを意味し、例えばデジタルアート作品などです。

 本発明により、NFTを、NFTとは異なる対象物の取り引きに管理に利用することができるようになります。

アクセス識別子に示されるNFTに対する操作をスマートコントラクトにより実行


 この発明の方法では、NFTを、NFTとは異なる対象物の取り引きに管理に利用することができます。

 まず、サーバは、ブロックチェーンにおいて取引可能なNFTの識別子を含むアクセスを受け付けます。

 このアクセスは、例えば、対象物に対応付けられたURLに対するアクセスです。URLは、二次元コード(例えばQRコード)によって表現される例があります。また、対象物は、例えば、トレーディングカードのような有体物です。

 次に、サーバは、受け付けたアクセスに含まれる識別子に示されるNFTに対する操作を実行するためのスマートコントラクトを実行します。

 スマートコントラクトの実行により、例えば、NFTの所有者の変更がなされます。

 このようにして、NFTを、NFTとは異なる対象物の取り引きに管理に利用することができます。

 特許第6710401号 bacoor dApps株式会社
 出願日:2019年12月5日 登録日:2020年5月29日

【課題】
ノンファンジブルトークン(NFT)を、NFTとは別の対象物についての取引等の管理に利用する。
【請求項1】
 対象物を管理する方法であって、
 前記対象物に付与されたデータであってブロックチェーンにおいて取引可能なノンファンジブルトークンの識別子を含む前記データを用いたネットワークアクセスを、管理サーバが受け付け、
 前記識別子を含む前記データを用いた前記ネットワークアクセスを受け付けた前記管理サーバが、前記データに含まれる前記識別子によって識別される前記ノンファンジブルトークンに対する操作を実行させるために、前記ブロックチェーンにおいて実行されるスマートコントラクトを呼び出す、
 ことを含む方法。

今日のみどころ

 ブロックチェーンを用いて管理されるNFTによって、NFTとは別のものを管理する発明です。

 請求項1の記載がけっこうシンプルなのですが、「ブロックチェーン」、「ノンファンジブルトークン」、「スマートコントラクト」などの用語を的確に使用することで、よけいな限定のない、広い権利範囲をカバーできていると思います。請求項の書き方の勉強になります。