移動によってすれ違ったすれ違い端末を精度よく検出する特許発明(カシオ)を紹介

図1

 今回は、すれ違い通信に関する発明を紹介します。

 従来、すれ違い通信の相手が、移動によってすれ違ったすれ違い端末なのか否かわからないという問題がありました。

 この発明では、通信データを受信したときの電波強度に基づいて、移動によってすれ違った通信端末を精度よく検出します。



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すれ違い通信の相手が、移動によってすれ違ったすれ違い端末なのか否かわからない

 すれ違い通信を利用したコミュニケーションが行われています。

 従来、すれ違い通信の通信相手は、現在位置などが条件を満たす通信端末を通信相手として選択します。

 そのため、すれ違い通信の相手として選択された通信端末が、移動によってすれ違った通信端末であるか否かがわからないという問題がありました。

受信時の電波強度がピークを形成する端末が移動によるすれ違い端末と検出

図7

 この発明では、移動によってすれ違った通信端末を精度よく検出します。

 通信端末は、他の端末から受信した通信データの電波強度を保持しています。そして、一定時間(例えば3秒)内に電波強度がピークを形成した場合、その端末をすれ違い端末として検出します。

 具体的には、通信端末は、過去に同一の端末から通信データを受信したときの電波強度を保持しています。そして、電波強度を複数並べたときに、これがピークを形成した場合に、その端末をすれ違い端末として検出します。受信強度がピークを形成する、つまり、受信強度が高くなった後に低くなるということが検出された場合に、移動によりすれ違ったと判断することがポイントです。

 無線通信規格は、Bluetooth(BLE, Bluetooth Low Energy)が想定されています。

 特許第6269032号 カシオ計算機株式会社
 出願日:2013年2月20日 登録日:2018年1月12日

【課題】
すれ違う他の通信端末を精度良く検出する。
【請求項1】
 他の通信端末と通信データをやりとりする無線通信手段と、
 前記無線通信手段により前記他の通信端末から通信データを受信するごとに、受信時の電波強度を測定する電波強度測定手段と、
 前記電波強度測定手段により一定時間内に測定された各電波強度がピークを形成する場合、前記他の通信端末をすれ違い端末として検出するすれ違い検出手段と、
 前記通信データの受信日時を取得する日時取得手段と、
 前記他の通信端末から受信した通信データ、当該通信データの受信時に測定された前記電波強度及び前記受信日時を記憶する記憶手段と、
 を備え、
 前記すれ違い検出手段は、前記記憶手段に記憶された同一の通信データであって、受信日時が一定時間内にある複数の通信データの各電波強度がピークを形成する場合、当該通信データを送信した他の通信端末をすれ違い端末として検出することを特徴とする通信端末。

今日のみどころ

 すれ違い通信の相手を精度よく検出する発明です。単に近くに位置している端末を通信相手とするのではなく、移動によってすれ違った端末を検出するのが新しい点です。

 すれ違い通信も用途に合わせていろいろな特徴をもつように進化しています。特許をとるためにアイデアをひとひねり、ふたひねりすることが必要になってきています。どんどんひねっていきましょう。