アンテナ切替周期を変えて受信ダイバシティでの受信確率を上げる発明 パナソニック

 家庭内ネットワークのアクセスポイントの受信ダイバシティ技術に関する発明です。従来、この技術では、適切なアンテナで受信できない問題があり、この問題を解決する発明です。

 この発明のアクセスポイントは、アンテナが正常に受信できた比率に等しくなるようにアンテナ切り替え周期を設定します。これにより、無線信号を正常に受信できる確率を上げることができます。

 特許第6128489号 パナソニックIPマネジメント株式会社
 出願日:2013年5月21日 登録日:2017年4月21日

受信ダイバシティで適切なアンテナで受信できない問題

 アクセスポイントに関する発明です。このアクセスポイントは、例えば太陽光発電装置、エアコン、テレビなどが接続される家庭内ネットワーク(*1)の基地局が想定されています。

 アクセスポイントが複数のアンテナを利用して無線信号を受信する受信アンテナダイバーシティ技術があります。受信アンテナダイバーシティ技術では、複数のアンテナで受信した無線信号を用いて干渉波の影響を下げるなどして、受信の成功率を向上させます。

 受信アンテナダイバーシティ技術にもいろいろな種類があります。その1つに、受信アンテナを時間的に切り替えて無線信号を受信する技術があります。この技術では、通信相手が無線信号を送信してくる時点で、適切な受信アンテナにより受信できる状態で待っている必要があります。

 言い換えると、通信相手が任意のタイミングで無線信号を送信してくる状況では、必ずしも適切な受信アンテナで受信できないという問題があります。

*1 無線通信規格は、IEEE802.15.4(ZigBeeの物理層)が想定されています。

アンテナが正常に受信できた比率に等しくなるようにアンテナ切り替え周期を設定する

 この発明の通信装置(アクセスポイント、無線基地局)は、2つの受信アンテナを周期的に切り替えて無線信号を受信します。それぞれのアンテナには、通信相手が対応付けられています。

 また、アンテナごとに、通信相手からの通信データを正常に受信できた比率を算出します。そして、この比率と、そのアンテナで受信する時間長の割合が等しくなるようにアンテナの切り替えの周期を設定します。

 このようにすることで、通信相手からの無線信号を正常に受信できる確率を上げることができます。

 なお、アンテナと通信相手との対応付けは、通信相手から受信する無線信号のRSSIが高い方のアンテナがこの通信相手に対応付けられるようになっています(請求項2)。

【課題】
受信アンテナダイバーシチ技術において、通信相手が任意のタイミングで無線信号を送信する場合に、高い確率で無線信号を受信することができる通信装置等を提供する。
【請求項1】
 複数の通信端末のそれぞれが送信する通信データを含む無線信号を受信する第1アンテナ部及び第2アンテナ部と、
 第1期間に前記第1アンテナ部を選択し、前記第1期間と異なる第2期間に前記第2アンテナ部を選択する選択部と、
 前記選択部が選択した前記第1アンテナ部又は前記第2アンテナ部が受信した前記無線信号に含まれる前記通信データを正常に取得できるか否かを判定する受信判定部と、
 前記複数の通信端末のそれぞれと前記第1アンテナ部及び前記第2アンテナ部のそれぞれとの対応付けを記憶している記憶部とを備え、
 前記選択部は、
 前記対応付けを参照することで、前記第1アンテナ部に対応づけられた前記通信端末が送信した前記通信データを正常に取得できると判定された回数に対する、前記第2アンテナ部に対応づけられた前記通信端末が送信した前記通信データを正常に取得できると判定された回数の比率と、前記第1期間の長さに対する前記第2期間の長さの比率とが等しくなるように、前記第1期間と前記第2期間との長さを設定する
 通信装置。

今日のみどころ

 アクセスポイントの受信ダイバシティ技術で周期的にアンテナを選択する場合の周期を、受信成功率の比率と同じになるように決めるという特許です。請求項1の記載がシンプルに上手に表現されていて、余計な限定がなく、かつ、発明のポイントが分かりやすいです。

 しっかりと発明のポイントを見極めた上で、余計な限定を入れないように記載されているのがよくわかり、勉強になります。発明の見極めという点でもすばらしいと思います。