【特許紹介】ボートレースや競馬などの仮想レースの表示画面の視認性を改善できる特許発明(コロプラ)を紹介

 今回は、ボートレースや競馬などの仮想レースに関する特許を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。

 従来、ボートレースや競馬などの仮想レースの表示画面の視認性に改善の余地があります。

 本発明では、表示画面を分割し、ユーザ操作によって表示態様を変更します。このようにすることで、レースの表示画面の視認性を改善することに寄与します。



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 特許の申請(出願)をする技術者や研究者が知っておかないといけない特許の知識がわかりやすくまとめられている良著です。

ボートレースや競馬などの仮想レースの表示画面の視認性に改善の余地

 ボートレースや競馬などに連動して、仮想的なオブジェクトを用いた仮想的なレースを端末の表示画面に表示する技術があります。

 観戦者は、現実のボートレースや競馬のレース場に行かないで、端末の表示画面を見ることでレースを観戦することができます。

 しかしながら、レースの表示画面の視認性に改善の余地があると指摘されています。

表示画面を分割、ユーザ操作によって表示態様を変更

 この発明のプログラムによれば、レースの表示画面の視認性に改善に寄与します。

 まず、現実のレースである第1レースと第2レースの表示オブジェクトを生成します。

 ユーザの操作を受けると、表示画面を分割して、第1領域と第2領域とします。

 第1領域には、端末の周囲を撮影した画像に重畳させて、第1レースの表示オブジェクトを表示します。第2領域には、第2レースの表示オブジェクトを表示します。

 具体的には、図13の領域1300Aが第1領域の例で、図13の領域1300Bが第2領域の例です。

 そして、ユーザの選択操作を受けると、第1領域および第2領域の少なくとも一方の表示の態様を変更します。

 このようにすることで、レースの表示画面の視認性を改善することに寄与します。

 特許第6866540号 株式会社コロプラ
 出願日:2021年1月22日 登録日:2021年4月9日

【課題】
複数レース視聴時の視認性を向上させることで、ユーザの利便性や満足度を向上できる。
【請求項1】
 プロセッサと、撮像部と、表示部とを備えた第1コンピュータにおいて実行されるプログラムであって、
 前記プログラムは、前記プロセッサに、
 現実世界における所定の第1レースに関する第1情報と、前記現実世界における前記第1レースとは異なる所定の第2レースに関する第2情報と、を第2コンピュータから受信するステップと、
 前記第1情報に基づいて、第1表示オブジェクトを生成するステップと、
 前記第2情報に基づいて、第2表示オブジェクトを生成するステップと、
 ユーザの操作入力を受け付けたときに、前記表示部の表示領域を第1領域と前記第1領域とは異なる第2領域とを少なくとも含む複数の領域に分割するステップと、
 前記表示部において、前記撮像部により撮像された前記第1コンピュータの周囲の現実画像に重畳させて、前記第1領域に前記第1表示オブジェクトを表示するとともに、前記第2領域に前記第2表示オブジェクトを表示するステップと、
 前記第1レース及び前記第2レースの少なくとも一方における出場者または移動体のうち、前記ユーザが選択した1以上の前記出場者または前記移動体を示す選択情報を取得するステップと、
 前記選択情報に基づいて、前記第1領域及び前記第2領域の少なくとも一方の表示態様を変更するステップと、を実行させる、プログラム。

今日のみどころ

 現実に行われているボートレースや競艇のレースを、表示オブジェクトによって表示するアプリのひと工夫という感じの発明です。

 ベースとなる技術が珍しい感じがします。そのような技術をベースとした発明は、引用文献が少ないと思われるので、特許になりやすい傾向があるといえるとおもいます。

 上手に特許をとってサービスを進めていけるといいですね。