今回は、飲料ディスペンサに関する発明を紹介します。今日も一緒に勉強しましょう。
従来、飲料ディスペンサでホット飲料を透明樹脂製カップに入れないようにする要求があります。
この発明では、飲料ディスペンサは、撮影画像の白飛びが設定値以下なら透明カップと判定します。これにより、ホット飲料を透明樹脂製のカップに供給しないようにします。
ホット飲料を透明樹脂製カップに入れないようにする要求
従来、さまざまな飲料(ドリンク)をカップに供給する飲料ディスペンサがあります。カップは、カップを配置するためのステージに配置されます。
飲料ディスペンサには、複数の種類のカップを選択して供給するものがあります。例えば、ホット飲料は紙製のカップに供給し、コールド飲料は透明樹脂製のカップに供給します。
その場合、ホット飲料を透明樹脂製のカップに供給してしまわないようにする要求があります。
撮影画像の白飛びが設定値以下なら透明カップと判定
この発明のカップ検出装置は、ステージに配置されたカップの種別を判定することができます。
まず、カップ検出装置は、ステージに配置されたカップの表面に光を照射し、カップを撮影します。このとき、カップによって光が反射された領域(反射領域)が撮像されます。
そして、その撮影画像において白飛びしている領域が設定値以下であるかどうかを判定します。白飛びしている領域が設定値以下である場合に、カップが透明であると判定します。
紙製のカップは光を反射し、透明樹脂製のカップはあまり光を反射しないという物理的な性質を利用して、白飛び領域の大きさからカップの種別を判定できます。
従属請求項には、白飛びをはっきりさせるためにコントラストを上げたあとで、明るさを下げるという画像処理のことも記載されています。これも、うまいアイデアだと思います。
特許第6673447号 富士電機株式会社
出願日:2018年11月27日 登録日:2020年3月9日
カップが透明であるか否かを精度良く検出することのできるカップ検出装置を提供する。
【請求項1】
供給ステージに配置されたカップを検出するカップ検出装置であって、
カップの表面に光照射を行う投光部と、
前記カップの表面において前記投光部からの光の反射領域を撮像する撮像部と、
前記撮像部の取得した画像データにおける白飛びしている領域が予め設定した下限閾値以下の場合にカップが透明であると判定する判定部と
を備えたことを特徴とするカップ検出装置。
今日のみどころ
ドリンクの自動販売機でカップが透明樹脂製かどうかを判定することができる発明です。
発明自体がとてもシンプルでよいと思います。そしてまた、請求項もシンプルに記載されていてこれもいいと思います。シンプルイズベスト。