【本】Wi-Fi、OFDM、無線メッシュ関係の基礎知識を得る方法/おすすめの本3冊を紹介



 私は特許事務所で特許の出願書類などを作る仕事をしています。7年前まではメーカで無線ルータの研究開発をするエンジニアでした。

 技術系の文書では、冒頭部分に技術の前提となる内容を記載することがよくあります。こういう部分は、うまく用語を使って簡潔に書いてしまいたい。インターネット上の情報を拾って書くのもよいのですが、自分が信頼できる情報源を手元に置いておくほうが安心です。

 私が頼りにしている技術関係の本を3冊紹介します。ここ数年の新しい本というわけではなく、長年使って信頼できる本です。



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高速無線LAN教科書

 Wi-Fiの基本技術の解説書です。文字や数式だけでなく、図や表が多いので理解しやすいです。

 Wi-Fiの技術は、IEEE802.11シリーズとよばれる規格で規定されていまして、最近でもどんどん標準化が進んでいます。でもその基礎的な部分の技術は、IEEE802.11a,b,g,nのような規格で規定されていてあまり変わっていません。

 このような基礎部分の知識を系統だてて説明してくれています。例えば、こんな疑問をもったとき、即座に答えにたどり着けます。

  • Wi-Fiのビーコンのフレームフォーマットでどうなっているのか。
  • IEEE802.11gのSIFS時間は、いくつだったっけ。
  • バックオフ時間の計算式はどうだったか。
  • WDSフレームのフレームフォーマットでどうだったっけ。

 IEEE802.11a,b,g等の技術の利用した応用技術として、Wi-Fiダイレクトとか、無線メッシュネットワークとかを理解する上での基礎になります。

 たまにこの書籍を特許の非特許文献に挙げている特許公報もあります。情報源として適切ということでもあるし、適当な文献がない場合にうまく使える情報源であるということでもあると思います。勝って本棚においておくといいかも。
 
 なお、同じタイトルの本が他にもあるようなので購入にはご注意を。ここから買うと間違いないです。

OFDM/OFDMA教科書

 最近の無線技術によく使われているOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)等に関する解説書です。OFDMは、符号化方式の1つで、日本語では直交周波数分割多重といいます。

 Wi-Fi、WiMAX、LTEなどの通信技術、地デジの放送技術などで使われています。OFDMの基礎部分は共通の考え方なのですが、用途に応じて少しずつ違いがあるので、基礎部分の理解と、各用途での差を理解する必要があります。

 この本では、OFDMの基本的な技術とともに、各通信規格への応用についても詳しく解説されています。文字や数式だけでなく図解が多いので理解しやすいです。

 OFDMは、エンドユーザにあまり影響しない部分だからか、系統立てて解説している解説書が少ないです。その中でお勧めの一冊です。

無線メッシュネットワークの本

 もう1つ、無線メッシュネットワークについての本を紹介します。無線メッシュネットワーク関連では、間瀬憲一先生、阪田史郎先生が、長く研究されて実績も積まれています。

 実は私が無線メッシュネットワークのアクセスポイントの研究開発をしていたときに、間瀬先生が作った新潟大学のテストベッドを利用して実験したことがあります。阪田先生に直接ご指導をいただいたこともあります。阪田先生の知識の豊富さは有名で、忘れる能力がない、と本人も言ってました。

 そんな間瀬先生と阪田先生の共著の一冊。無線メッシュネットワークの基礎を理解することができます。

今日のみどころ

 ネットで簡単に情報を得られるようになった反面、信頼できる情報があるかというと少々あやしい部分があります。

 短時間で信頼できる情報を得るには、信頼できる情報源を手元に置いておくことも大事ですよ。