スマートキーレス機能に対するリレーアタック攻撃を回避する特許発明を紹介(マツダ)



図1

 今回は、自動車のスマートキーレス機能に対するリレーアタック攻撃を回避する特許発明を紹介します。

 従来、スマートキーレス機能に対するリレーアタック攻撃があります。

 この発明のシステムでは、電子キーが通常より弱い信号をだし、車載機が信号を受信できないときに報知するというしくみで、リレーアタックを回避します。



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スマートキーレス機能に対するリレーアタック攻撃

 従来、スマートキーレス機能をもつ車両があります。スマートキーレス機能というのは、ユーザ(運転手)が電子キーをもって、車両の近くでドアノブに触れるだけでドアが解錠されたり、エンジンスイッチを押すだけでエンジンが始動されたりする機能です。

 スマートキーレス機能に対してリレーアタックという攻撃の手口があり、車両が盗難されることがあります。

 リレーアタックは、スマートキーレス機能で使われる電波を中継します。これにより、車両から遠くに電子キーがあっても、車両のドアを解錠したりエンジンを始動させたりする手口です。

 リレーアタックの対策として、電子キーから送信する電波を弱める方法があります。しかし、この方法では、ノイズによって車両側の機器が電波を受信できないことがあるという問題があります。

電子キーが弱い信号をだし、車載機が信号を受信できないときに報知

図2

 この発明の電子キーシステムでは、電子キーと車載機とが、通常モードと停止モードとに切り替えて使われます。

 通常モードでは、電子キーは、車載器から無線で信号を受信すると、その信号に応じて車載器に信号を送信します。車載器は、電子キーに対して信号を送信した後に、電子キーからの信号を受信しない場合、特になにもしません。

 停止モードでは、電子キーは、車載器から無線で信号を受信すると、通常モードのときより弱い信号強度で車載機に信号を送信します。車載器は、電子キーに対して信号を送信した後に、電子キーからの信号を受信しない場合に、報知をします。報知は、例えばホーンやスピーカから音をだすことです。

 このようにすることで、リレーアタックをしようとして車載器が送信した信号を中継して電子キーに受信させた場合でも、電子キーから車載器への信号が車載器まで届かないようになります。

 そして、車載器が信号を受信しないことで報知がされるので、リレーアタックをしようとした悪意者が盗難をあきらめる、ということになり、リレーアタックを回避できます。

 特許第6341472号 マツダ株式会社
 出願日:2016年10月24日 登録日:2018年5月25日

【課題】
リレーアタック対策中に電子キーが車両近傍に存在する場合において、ユーザの使い勝手の向上を図ることができる電子キーシステムを提供する。
【請求項1】
 車両に搭載される車載機と、この車載機と無線通信可能である電子キーと、を備え、前記車載機と前記電子キーとの間で所定の無線通信処理が成立した場合に、前記車載機により所定の処理が実行されるように構成されている、電子キーシステムであって、
 少なくとも前記電子キー又は前記車載機に設けられたスイッチをユーザが操作することにより通常モードと停止モードとの間で制御モードが切り替えられるように構成されており、
 前記所定の無線通信処理において、前記電子キーは、前記車載機から受信した第1の無線信号に応答して、第2の無線信号を返信するように構成されており、
 前記電子キーは、前記停止モードでは、前記通常モードのときよりも前記第2の無線信号の信号強度を低下させて送信し、
 前記車載機は、前記第1の無線信号の送信後に前記第2の無線信号を受信しない場合、所定の報知処理を実行する、電子キーシステム。

今日のみどころ

 自動車のスマートキーレス機能に対するリレーアタック攻撃の対策です。

 スマートキーレス機能のような新しい便利なしくみが出ると、新しい攻撃方法がでます。まさにいたちごっこですよね。そのようないたちごっこの試行錯誤を経て技術が進歩していくのが興味深いところです。

 たくさんの攻撃手法に耐えられる工夫があるほうがいいですね。